人の身体は上虚下実の時に本来の力を発揮できる。
上虚下実について
上虚下実とは、文字通り上が虚で下が実ということです。
- 虚とは広がりがある、無限である、というような意味です。
- 実とは、充ちている、有限である(そこに実像がしっかりある)というような意味です。
身体の状態で上虚下実というときは、頭、肩、手に力みがなく、足、腰がしっかりとしている時のことです。
なぜ上虚下実が良いのでしょう。
人間の骨格上、一番強いのが腰です。腰椎は背骨の中で一番太い部分です。
人の体は、上半身の力みが抜けてくると骨盤の中に力が集まり、重心が中心に寄ってきて、足腰がしっかりとしてくる構造をしています。
重心が骨盤の中に落ちてくると、自然と仙骨を両サイドの腸骨がしっかりと挟むような力が生まれてきます。
結果、動く時に軸がブレにくくなり、余分なエネルギーを使わないために疲れにくくなります。
腰がしっかりすると姿勢が良くなり、視野が広がります。また胸郭が緩んで広くなり、呼吸もしやすくなります。
上実下虚?
人間は重心のある所を起点にして動きます。 肩や手、首が力んでいると、重心が高くなります。
- 首は背骨の中で比較的弱い所です。
そこを起点にして動くということは、より筋肉を固めて動くということです。
肩や首を固めていると、呼吸が浅くなり脳に行く酸素の量が少なくなります。
さらに、首を固めていると脳への血流も少なくなります。
- 重心が肩の辺りにあると、腰が抜けてきます。
力が骨盤から抜けていくためです。
腰が抜けてくると仙骨を腸骨が挟む力が抜けるため、動くと軸がブレるようになります。
- 肩を大きく左右に揺らしながら歩いたり、
首を前後に動かしながら身体全体が前後運動をしながら歩く人は腰の弾力がなくなってきて上虚下実でなくなってきているのです。
いずれも、首の辺りの負担が大きくなります。また、顔が動くため、視野がブレます。
上虚下実は難しい。
人間は上虚下実の状態の時にその人の本来の力が発揮できます。
わかっていてもなかなか難しいのが現実です。
また、上半身の力の抜くということも、コツをしらないと難しいものです。
そういう知識についてもご質問があれば答えていきたいと思っております。
整体の施術は、上虚下実の状態に導くことがその目的の一つです。