健康法としての水の飲み方について
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決まった量の水を飲む事は健康法にはならない。
当院でも健康法として水を飲む事をお勧めすることがあります。
しかし、整体の立場に立てば、一日に何リットル飲まなければいけないという、数字を元にした考え方を全面的に指示はできません。
人の身体は一人一人違います。時間、環境によってその人の身体が必要とする水の量は変わってくるのが当然です。
その時身体が求める分を、適量飲めば健康法になりますが、一日これだけ、と決めて身体の声に耳を傾けずに飲むことを続けるのは、健康法とは言えません。
では、どういう時に身体が水を欲するかをお話していきましょう。
身体が水を欲する時
身体が水を欲する時は、当然身体の中に水が足りていない時です。
それはどういう時でしょう。
空気が乾燥する秋から冬そして春にかけて
秋が深まってくると空気が乾燥してきます。
寒くなってくるので暖房を点けることも多くなります。
必然的に身体が乾いてきます。
秋、冬はとくに身体が乾きやすいです。
夏の方が汗をかくので水が足りていないと思いがちですが、身体としては秋、冬のほうが水を必要とします。
腎臓の働きを助ける
野口整体では、秋から、春にかけて冷たい水を飲む事を推奨しています。
それは、冬の間に腎臓に負担をあまりかけないためです。
冬の間に腎臓を潤すことを数年続けると、身体の潤い方に違いが出てきます。
秋といっても暖房を必要とするぐらい寒くなってからです。
温かい間は、水よりも味噌汁やうどんなどの汁物が一般的には身体に合います。
身体の排泄力が弱まっている時
身体の排泄力が弱まっている時とは、中毒している時です。
身体はその時必要としないものが体内に入ると外に出そうとします。
排泄力が弱っていると外に出せずに身体の中をぐるぐる回ってしまいます。
つまり、解毒作用のある肝臓、おしっこで出す腎臓、血液循環を司っている心臓の働きが少し弱っているのです。
その時に水を飲む事で、尿や、汗で身体に不要なものを出しやすくしてあげます。
身体の毒となっているものを薄めるので、肝臓、心臓の負担を減らす事ができます。
お茶と水は別物と考える
水分を摂れば良いと考えて、お茶を飲めばいいと考えがちですが、お茶と水は別物と考えて下さい。
お茶やコーヒー、お酒を飲むとそれをろ過するためにかえって水を必要とします。
身体に水が足りない時に飲むと一旦はノドが潤いますが、身体の中ではかえって水分不足になります。
身体に水が足りていない時にお茶などを飲む時は、水も一緒に飲む事をお勧めします。
特にお酒を飲む時は水を一緒に飲みましょう。
身体の要求する飲み方を身に付ける
身体はその時必要としないものを取り入れると外に出そうとします。
それは、水も同じです。
水を一日何リットルと決めて飲む事は、身体の要求をまるで無視した行為です。
飲みたくないのに飲むと身体は吸収しません。
それは、腎臓にかえって負担をかける事になります。
そのように、身体の要求を無視し続けると、自分が今、水を欲しているのかそうでないのか、その感覚がわからなくなってくることさえあります。
ではどのように飲めばいいでしょう?
身体が必要としているものは、「おいしい」のです。
おいしくなくなれば、もう必要としていないのです。
「おいしい」とは、身体が喜んでいる感覚です。
なんだか身体の隅々まで水が染み渡っていくような感覚です。
水を飲む事を健康法としてする場合は、「おいしい」を忘れないようにするのが大事です。
何だか変な話ですが
結局、飲みたい時に飲む事を心がけていればいいのです。
ただ、
- 人が健康法にすがる時はやっぱり身体が弱っている時なのです。
- それに、中毒している時は自分でそれに気付かない時があります。
- 冬に身体が乾燥していることも、気付かない時があります。
そういう時は自分で水を飲みたいと気付かない事が多いのですが、少し飲むと水が足りていないことに気付きます。
(食べ始めるとお腹が空いていた事に気付くのと似ています。)
ですので、そういう時のために、「水を飲む」ということを頭の片隅に置いといて下さい。
そして、どんな時も「おいしく飲む」ということを忘れないでいると、ただ水を飲む事があなたの身体に合った健康法になることでしょう。